ムシバ菌『ミュータンス』
虫歯の最も大きな原因はバイキンです。
その代表的なものが「ミュータンス連鎖球菌」と呼ばれるものです。
このバイキンがどういう風に歯を溶かすのか?それには幾つかの段階があります。
そこでまずはムシバ菌について勉強していきましょう!
ミュータンスレンサ球菌とは
ミュータンス連鎖球菌は、通性嫌気性のグラム陽性細菌で連鎖球菌の一種です。名前の由来は、変異しやすいということでミュータントの意味を含めて作られたという説があります。う蝕(虫歯)の原因菌のひとつです。一般では、虫歯菌という名前で広く知られています。1924年にJ. K. Clarkeによって虫歯により発見されました。砂糖の含まれた食物を摂取すると、ショ糖を原料にして菌の産生する酵素により粘着性の多糖体(ムタン=グルカン)をつくります。グルカンが形成されると、歯の表面で他の口腔細菌とともに塊を形成し、これがプラークと呼ばれ虫歯が発症および進行する最大の原因となります。近年では、プラークはバイオフィルムと呼ばれ、細菌が生き残るために備えた能力として解釈され、集団としての特徴的な機能発現が起こり、様々な病原性を発揮することが明らかとなりました。(出典:日本細菌学会HPより)
虫歯ができる3段階
①細菌が歯に住み着く
どの病気もそうですが、菌が組織に張り付くことによって、病気が始まります。このバイキンが組織に張り付いた状態を「感染」とよびます。
どの菌でも歯にくっ付けるわけではなく、特定の菌だけが歯にくっつくことができます。
ちなみに虫歯の原因菌は直接歯にくっつくことができないため、歯にくっ付くことができる菌にくっ付くことによって感染するわけです。
②細菌が栄養を取り込む
細菌も生き物ですから、食べ物を食べなくては生きていけません。虫歯の原因菌の場合はそれが砂糖です。
砂糖を食べて元気になり、時間が経つとバイキンはその数を増やしていきます。
③細菌がフンを出す
細菌も食事をするとウンチを出します。
それが「酸」です。酸は『奥歯の溝』や『歯の間』といった溜まりやすい部分に留まり歯を溶かし続けます。
一度『酸』によって溶けてしまった場所は、窪んでさらに酸がたまりやすくなるため虫歯が進行しやすくなります。
虫歯は大きく分けてこの3つの段階を経て成立しますが、この段階の一つだけでも止める事が出来れば虫歯にはなりません。
つまり「虫歯を予防できるチャンスは沢山ある!」ということです。
では、各段階をもう少し詳しく見ていきましょう。