インプラント治療はリスクがあります!
歯が無い場所に歯を作ることができるインプラント。とても画期的で私も大好きな治療法の一つです。
しかし一歩間違えると取り返しのつかない事態を招くことがあります!
インプラント治療とは??
インプラント治療とは『チタン』で出来たネジを顎の中に植えて、それを支柱に歯を作る治療方法です。
スウェーデンの歯科医師『ブローネン・マルク博士』がたまたまチタンと骨が結合できることを発見し、これがきっかけで世界中にインプラント治療が広がりました。
インプラント治療のリスクとは??
このようにインプラントはとても夢と希望のある治療で非常に有用な治療法ですが、1つ問題があります。
それは天然の歯と比べると、汚れに弱いということです。
よくインプラントは怖いという声を耳にします。確かにインプラント治療は手術を伴うので怖いかもしれませんが、実際にはそれほどでもなかったと言う方も多い治療法です。実際私の患者さんでもいつもの虫歯の治療と同じ感覚に思ったとおっしゃる方もいらっしゃいました。
本当に怖いのはインプラント治療後に起きるインプラント版の歯周病『インプラント周囲炎』です。
インプラント周囲炎って何ですか??
インプラント周囲炎は今インプラントの治療後の合併症の中で一番多い合併症です。原因は歯周病と同じくインプラントの周りに細菌が付着することで起きます。インプラントの周りは天然歯と比べて、細菌の侵入を防ぐバリアが1枚少ないことが原因です。
歯周病に関する詳しい記述はこちらをどうぞ。
歯周病と同じくインプラント周囲炎も周りの骨が溶けてなくなってしまいます。
インプラント周囲炎はインプラントの表面が通常の歯よりもざらついているため細菌が付着しやすく、また治療もしにくくなっています。今、世界中の学会でこのインプラント周囲炎の治療方法を研究している最中です。
インプラント周囲炎の治療法
現在、インプラント周囲炎に対する確率された治療法はありません。現在研究されている方法は、物理的にこする、薬品をかける、レーザーを当てる、研磨のパウダーを吹きかけるなどがありますが、これといった方法ではありません。
インプラント周囲炎になら無いためには?
インプラント周囲炎になら無いためには基本的に歯周病の治療と同じくブラッシングを徹底的に行うことが大切です。
率直に申し上げてしまうと、インプラント周囲炎は私たち歯科医師側の責任でなるのではなく、患者さんのブラッシング不足が招く病気です。これは歯周病も全く同じです。
しかし、多くの患者さんはインプラント治療が高額なため永久に持つと信じています。あるいは人工物だから虫歯になる心配は無いといって歯ブラシを怠ったり、定期検診を受けない方もいらっしゃいます。ほとんどの原因がこれらのお口の清掃状態が悪化していることで起きます。
ですから大事なことは『きちんと定期検診に通い、自宅でのケアもしっかりする』につきます。基本的なことですが、これだけでほぼインプラント周囲炎は防げます。