洗口液を使ってオーラルケアを手軽にしてみたいけど「何を使ったらいいか分からない」と思っていませんか?世の中にはたくさんの洗口液が出ているので何を基準に選べば良いのかが分かれば迷わなくて済みます。
そこでこの記事ではオーラルケアを家庭で簡単にできるための洗口液の選び方を分かりやすく解説しています。
この記事は歯科医師として10年以上、歯周病専門医として6年以上の経験がある歯科医師が書いています。
オーラルケア洗口液を使う最適な場面
洗口液を使うタイミング
夜寝る前に使いましょう。
オーラルケア洗口液は歯や粘膜にくっついて効果が出ます。食事をしたり飲み物を飲んだりすることでせっかくの有効成分が流れてしまい効果が半減してしまうので、洗口液は使うタイミングに気をつけて下さい。
夜寝ている間は、唾液が出なくなるので洗口液の有効性成分が流れることなくお口の中に留まることができるのでなるべく寝る直前に使うようにして下さい。
洗口液を使い始める年齢
うがいができれば、幼稚園生から使い始めて下さい。
乳歯は大人の歯に比べて柔らかいので虫歯になりやすいのと、子供は歯ブラシが下手なので洗口液で補助的にオーラルケアをしなければなりません。アルコールの入ってないタイプや低刺激タイプを選ぶようにしましょう。
大人同様、夜寝る前の使用が効果的です。
効果的な洗口液の量
10mlあれば十分です。
洗口液は歯や粘膜に触れて効果を発揮しますので、行き渡る量があれば十分です。洗口液を大量に使うよりも歯ブラシで汚れを落とした方で適量の洗口液を使う方が効果があります。
洗口液の中にはタンパク汚れに触れることで、効果が半減してしまう成分があるので、うがい前にしっかりと歯を磨いて汚れを落とすことで効果を最大限引き出せるからです。
オーラルケア用の洗口液を選ぶときのポイント
洗口液は目的によって使い分けると効果を最大限に発揮させる事ができます。目的に沿ってない洗口液は成分の違いから思ったような効果を発揮しない事があるので注意が必要です。
虫歯予防を目的とした洗口液
キシリトールとフッ素が入った洗口液を使ってください。
キシリトールはば虫歯の原因である「ミュータンス菌」を弱らせて、毒性の低いバクテリアにする効果があります。30%ほどの濃度で虫歯予防効果を発揮し、100%であれば虫歯になりかけた歯が元に戻るという研究結果が出ています。
また、数年使用し続けるとその効果が数年続くので、これをうまく利用する方法があります。
例えば、子供の虫歯で最も多い時期は部活や買い食いが始まる中学生や高校生です。自立心が芽生えて親の目が届かなくなるのと、運動系の部活などに入るとスポーツドリンクなど砂糖が入ったジュースなどをたくさん飲むようになるからです。
小学生のときにキシリトール入りの洗口液でうがいさせておけば、中学生、高校生になっても虫歯の原因であるミュータンス菌が活性化する確率を減らせます。もちろん歯ブラシは必須ですが、うまく使えば虫歯を予防できるのでオススメです。
キシリトール入りの洗口液でクレッシュという商品もあるのですが、もっと安価て効果的な方法が「キシリトールパウダーを買って水に溶かす方法」です。これならコスパも良くて100%キシリトールなので効果も抜群なのでオススメです。もちろん料理に使うこともできます。
フッ素入りの洗口液も虫歯予防に効果的です。
フッ素は歯を作っているハイドロキシアパタイトという成分を強くして酸に溶けにくくする効果があるからです。唾液の成分でまたもとの状態にもどってしまうので毎日使い続ける事が大切で、低濃度のフッ素で良いので使い続けて下さい。
成分 | 効果 | 特徴 | 成分が入った商品 |
キシリトール |
虫歯の原因菌を弱らせる |
長く使い続けると、使わなくなっても効果が続く |
キシリトールパウダー |
フッ素 | 歯を酸に溶けにくくする | 毎日使い続けないと元にもどってしまう |
歯周病予防のための洗口液
クロルヘキシジンが入った洗口液を使ってください。
クロルヘキシジンは普通の殺菌成分では壊せない壁を壊せるので、とても強力に殺菌しお口に浮遊しているバクテリアをほぼ殺菌します。
クロルヘキシジンが配合された洗口液で有名なのがコンクールfで、グリチルリチン酸アンモニウムという炎症を抑える成分も入っているので、歯肉炎の予防に効果を発揮します。
コンクールfは、医療の現場でも使われている強力な洗口液なので、少しの量で効果を発揮し1本持っておくとかなり長く持つのでオススメです。
炎症を抑える他の成分にグリチルリチン酸ジカリウムというのもあって、これはモンダミンに入っている成分です。
洗口液名 | 殺菌成分 | 抗炎症成分 | 特徴 |
コンクールf | クロルヘキシジン | グリチルリチン酸アンモニウム |
殺菌効果が高い 12時間効果が持続する 味は1種類 |
モンダミン | 入っていない | グリチルリチン酸時カリウム |
殺菌効果はない 味は3種類ある |
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コンクールfの効果と使い方
この記事は『コンクールfに興味があるけど効果や使い方を知りたい方』や『今すでに使っているけどその効果や使い方が正しいのかを詳しく知りたい方』に向けて書いた記事です。 本記事では下記の内容について解説し ...
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口臭予防のための洗口液
リステリンを使いましょう。
リステリンもコンクールfと同様な殺菌成分が配合されているので、口臭の原因となるバクテリアを減らせます。さらにメントールが入っているので洗口後の息が爽やかになる効果があるからです。リステリンは強刺激タイプ〜低刺激タイプまでたくさんの種類があり、強刺激タイプほど殺菌効果が高いですが、低刺激タイプでも回数を多く使うことで同様の殺菌効果が期待できます。
殺菌成分も抗炎症成分も配合されたトータルケアプラスを選んでおけば間違いないので、あとは「刺激の少ないノンアルコールタイプ」か「刺激のあるアルコールタイプ」かで好みの方を選択すれば問題ありません。
リステリンのオススメの使い方はリステリンでよくうがいした後に、すすがないで歯ブラシをする方法です。リステリンにはバイオフィルムという細菌の作る膜を壊す効果があるので、より効果的にプラークを除去できるからです。
NONIOもリステリンほど強力ではありませんが、CPCという殺菌成分が配合されていてハーブなどの香料が入っているので息が爽やかになります。
ホワイトニングのための洗口液
ポリリン酸の入った洗口液を選びましょう。
ポリリン酸には歯のくすみをとり、歯が本来持っている白さを出す効果があります。ホワイトニングは人工的な白さなのに対して、ポリリン酸で白くした歯はより自然な美しさがあります。
リンゴ酸もホワイトニング用としてよく使われる成分です。リンゴ酸とポリリン酸が配合された洗口液で人気なのが、ポリリンデンタルリンスです。
オーラルケア 洗口液 まとめ
この記事で紹介した洗口液の特徴をまとめました。
商品名 | 有効成分 | 有効成分の効果 | 目的 | 特徴 | オススメ度 |
キシリトールパウダー | キシリトール | 虫歯菌を弱体化 | 虫歯予防 | コスパが良い・虫歯予防に効果大 | ★★★★★ |
バトラーCHX洗口液 | フッ素・クロルヘキシジン | 歯の強化・殺菌 | 虫歯・歯肉炎予防 | 虫歯と歯肉炎を両方予防できる | ★★★ |
コンクールf | クロルヘキシジン・グリチルリチン酸アンモニウム | 殺菌・抗炎症作用 | 歯肉炎・歯周病予防 | 医療レベルの殺菌力・効果が12時間持続する | ★★★★ |
モンダミン | グリチルリチン酸ジカリウム | 抗炎症作用 | 歯肉炎予防 | 効果が弱い | ★ |
リステリン | リスター液 | 殺菌・バイオフィルム破壊 | 口臭・歯肉炎予防 | 殺菌効果大・口臭予防に◎ | ★★★★ |
NONIO | CPC | 殺菌 | 口臭予防 | 殺菌効果は弱い | ★★ |
ポリリンデンタルリンス | ポリリン酸 | ホワイトニング | ホワイトニング | 自然な歯の白さを引き出す | ★★★ |