歯周病

 それって本当に歯周病の痛み?歯医者に行く前のセルフチェック

”30代以上の3人に2人が歯周病”

そんな話を聞いて、「わたしも歯周病かもしれない…」と不安になった経験はありませんか?

とはいえ、

  • そもそも、この歯の痛みは歯周病のせいなのか分からない
  • 自覚症状がないから、歯医者に行く必要性を感じない

という方も多いと思います。

そこでこの記事では、そんな歯周病にかかっているかどうか気になっている方に向けて、歯周病専門医である筆者が”歯周病の痛み”に関連する知っておくと役立つ情報をお届けします。

以下の順番に重要なポイントだけを紹介していくので、ぜひご一読ください。

この記事を書いている私は日本歯周病学会に認定を受けた歯周病専門医として、歯科医療を行っています。

歯科医師としては12年以上、歯周病専門医として6年以上の経験があり、私が学んだ歯周病学や実際の患者様を見て得た知見などを交えて執筆しています。

歯周病の痛みや腫れ!どんな症状が出るの?

歯周病は、初期の段階では自覚症状が出にくい疾患です。

そのため、歯周病による痛みや腫れといった症状が出ている場合には、すでに歯周病がかなり進行している可能性が高いです。

また、痛みや腫れを含むお口の中の違和感は、必ずしも歯周病によるものとは限りません。

  • 虫歯
  • 不適切なかみ合わせによる歯の破損
  • 顎の痛み

など、他の疾患が元になって症状が出ている可能性もあります。

専門機関で検査してみないと分からないことも多いので、お口の中に違和感を感じた場合には、自己判断はせず早めに歯医者で見てもらうのがオススメです。

とはいえ、事情があってすぐに歯医者に行けない方は、「自分が歯周病であるか否か」といった点が気になってモヤモヤしますよね。

そういった場合には、あくまでも簡易的ではありますが、次に紹介するセルフチェックを利用して自分のお口の状態をチェックしてみると良いでしょう。

歯周病のセルフチェック

歯や歯茎の状態を見て、以下の項目に当てはまるものがあれば歯周病を発症している可能性が高いです。

【歯周病のセルフチェック】

  • 朝起きたとき、口の中がネバネバする。
  • ブラッシング時に出血する。
  • 口臭が気になる。
  • 歯肉がむずがゆい、痛い。
  • 歯肉が赤く腫れている。(健康的な歯肉はピンク色で引き締まっている)
  • かたい物が噛みにくい。
  • 歯が長くなったような気がする。
  • 前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間がでてきた。食物が挟まる。

※上記の項目3つあてはまる

油断は禁物です。ご自分および歯医者さんで予防するように努めましょう。

※上記の項目6つあてはまる

歯周病が進行している可能性があります。

※上記の項目全てあてはまる

歯周病の症状がかなり進んでいます。

引用元:歯周病とは?/日本臨床歯周病学会 (https://www.jacp.net/perio/about/)

上記の症状が出ていない場合でも、歯医者の定期検診に通う習慣を作っておけば、歯周病を早期発見・早期予防できます。

歯周病の痛みを引き起こす8つの原因や対処法

ここからは、歯周病の痛みを発生させる代表的な8つの原因について説明していきます。

これ以上痛みを悪化させないための対処法も一緒に紹介しているので、ぜひご一読ください。

お口の中の清掃不良

歯周病は、歯垢(プラーク)と呼ばれる歯の汚れの中にいる歯周病菌が原因で症状が進行していきます。

そのため、歯周病による痛みを悪化させないためには、

  • 日々のセルフケア(歯磨きやフロス、歯間ブラシなど)
  • 歯医者での専門的かつ定期的なクリーニング

の2つを同時に行い、常にお口の中を清潔な状態にしておく必要があるのです。

不適合な入れ歯やかぶせ物

不適合な入れ歯やかぶせ物は、歯周病菌の温床になる可能性が高いと言えます。

なぜなら、不適合な入れ歯やかぶせ物は、

  • 歯とかぶせ物の隙間に歯周病菌を侵入させてしまう
  • 磨きづらい箇所ができて清掃不良になりやすい
  • 正しく噛めないことで栄養の偏りが起きて、歯周病への抵抗力が落ちやすい
  • かみ合わせがくずれて、歯を支える組織にダメージがかかる

などのデメリットがあり、歯周病による痛みを発生させる原因になりやすいからです。

対処法としては、歯医者に行き不適合な入れ歯やかぶせ物の調整や再製をしてもらう方法があります。ぜひ一度、歯医者で相談をしてみましょう。

歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりが、歯周病の痛みを発生させる直接的な原因になるわけではありません。

しかし、歯ぎしりや食いしばりによって長期的に過度な力が歯にかかり続けると、歯茎の中にある骨が溶けて、結果的に歯周病の症状が進行してしまうケースがあるのです。

対処法としては、歯医者で、

  • マウスピースをつくる(歯ぎしりや食いしばりよる歯への負担を軽減する装置)
  • 歯にダメージがいきにくいかみ合わせに矯正する

などの方法があります。一度検査を受けてみてください。

喫煙

喫煙は以下のように、歯周病の痛みを発生させる原因になる要素が大きいです。

歯周病にかかる危険は1日10本以上喫煙すると5.4倍に、10年以上吸っていると4.3倍に上昇し、また重症化しやすくなります。

引用:歯周病と煙草の関係/日本臨床歯周病学会 (https://www.jacp.net/perio/cigarette/)

対処法としては、「禁煙」が1番の方法になります。

なぜなら、禁煙をすると歯周病にかかるリスクが約4割も下がるだけでなく、治療後の経過も喫煙時より良くなるということが分かっているからです。

生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れは、体の免疫力を下げて歯周病の痛みを悪化させてしまうケースがあります。

そのため、以下のような生活をしている方は、できる範囲で生活習慣の改善に務めるのがオススメです。

  • 不規則な食生活
  • 睡眠不足
  • 運動不足
  • ストレスが溜まっている

生活習慣を改善させる方法については、以下サイトで詳しく紹介されているので参考にしてください。

参考サイト:生活習慣改善10カ条/全国健康保険協会 (https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g4/cat410/sb4020/10kajyou/)

家族間感染

歯周病の痛みを悪化させる直接的な原因ではありませんが、歯周病菌は人の唾液を介してうつるので、感染リスクが高い家庭内では家族間感染に注意するのがオススメです。

具体的な予防法は、こちらの記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。

→『歯周病がうつる原因と5つの予防法!大切な人を守るには?』

薬や全身疾患による影響

歯周病は、以下の薬や全身疾患の影響で痛みが出るほど重症化するケースがあります。

  • 薬の副作用(抗てんかん薬、免疫抑制剤、降圧剤など)
  • 全身疾患(糖尿病、骨粗鬆症、ホルモン異常など)

そのため、歯周病を悪化させないためには、

  1. 日々のセルフケア(歯磨きやフロス、歯間ブラシなど)
  2. 歯医者での専門的かつ定期的なクリーニング

の2つを徹底しながら、双方の医師の指示に従って治療を進めていく必要があります。

遺伝的な影響

歯周病そのものが遺伝して、痛みが出るということはほとんどありません。

ただし、歯周病に対する抵抗力や免疫力(歯周病のかかりやすさ)が遺伝する可能性は高いと言われています。

そのため、家系的に歯周病にかかっている人が多い場合には、歯医者の定期検診に通い、歯周病を早期発見・早期予防できるようにしておくのがオススメです。

歯周病の痛みと応急処置!歯医者に行く前にできることは?

事情があってすぐに歯医者に行けないときに、歯周病の痛みが出てしまった場合の応急処置の方法について説明していきます。

水分を摂取したときにしみる

水分を摂取したときにしみるような症状が出た場合には、歯周病によって歯茎が退縮した影響で象牙質が露出して、知覚過敏症になっている可能性があります。

歯医者に行くまでの間は、

  • 常温またはぬるま湯で口をすすぐ
  • 知覚過敏用の歯磨き粉を使う(シュミテクトなど)

といった方法で、お口の環境を整えておきましょう。

ただし、歯周病ではなく虫歯が原因で歯がしみている可能性もあります。早急に歯医者に行って、適切な治療を受けるようにしてください。

噛んだときに痛む

硬いものを噛んだときなどに痛みを感じた場合は、歯周病による炎症が起きているケースがあります。

応急処置としては、鎮痛剤を飲んで一時的に痛みを緩和するしかありません。

ただし、歯周病に限らず重症化しているケースが多いので、早急に歯医者で治療することをオススメします。

歯茎が腫れて痛む

歯茎が腫れて痛みが出ている場合は、軽度~重度の歯周病になっている可能性があります。

歯医者に行くまでは、出血を気にせず歯磨きをして、お口の中を清潔にしておきましょう。

また歯周病ではなくても、親知らずや新しく生えてくる歯の影響で周りの歯茎が腫れてしまうこともあるので、まずは歯医者の診察を受けてみてください。

歯周病の痛みのまとめ

それでは最後に、歯周病の痛みについて簡単におさらいしていきます。

【歯周病の痛みと症状】

・初期の段階では、自覚症状が出にくい

・歯周病で痛みや腫れが出ている場合は、かなり重症化しているケースが多い

・痛みの原因は、歯周病以外の場合もある(早急に歯医者に行くのがオススメ)

【歯周病の痛みを引き起こす原因】

1.お口の中の清掃不良

2.不適合な入れ歯やかぶせ物

3.歯ぎしりや食いしばり

4.喫煙

5.生活習慣の乱れ

6.家族間感染

7.薬や全身疾患による影響

8.遺伝的な影響

歯周病は複合的な要因が重なって、発症・進行する疾患です。

痛みが出ている本当の原因を知るためにも、歯に違和感を感じた場合には、できるだけ早く歯医者を受診するようにしましょう。

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