歯周外科セミナーやコースで歯周外科の術式や歯周外科のコンセプトを学びたいとお考えの先生へ。
この記事では、自宅や勤務先でも自分で歯周外科が学べる「歯周外科マニュアル」の解説をしています。
私自身、歯周外科治療を12年以上行っており、現在は歯周病専門医として東京都内にクリニックを持っています。2019年現在、より高度な歯周病治療とインプラント周囲炎の治療法を学ぶため、アメリカのフロリダ州のペリオのプログラムでレジデントとして学び直す一方で、インプラント周囲炎の研究を行っています。
歯科治療のスキルに伸び悩んでいませんか?【歯周外科のすすめ】
日々、歯科治療を行っていく中で自分の診療技術に限界を感じたことはありませんか?
あるいは、思ったような治療が出来なくて悔しい思いや患者様に申し訳ないという気持ちになったことはないでしょうか?
日々の診療に制限を与え、患者様へ提供する医療サービスを小さくまとめてしまっている要素が6つあると私は考えています。
- 時間的制限
- 経済的制限
- 文化的制限
- 経営的制限
- 技術的制限
- 知識的制限
この6つの制限を一つ一つ解決していくことで、患者様へ最高の医療を提供し、提供する側も満足し、新しいサービスへ投資するための経済的体力を獲得することが出来ます。
解決方法として様々な勉強会や講習会に出るのも1つの方法でしょう。
また、機材への投資も患者様のニーズと合致していればとても素晴らしい方法だと言えます。
しかし、これらを1つ行えばすべての制限を解くことができるわけでもありません。
時間的制限 |
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経済的制限 |
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文化的制限 |
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経営的制限 |
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技術的制限 |
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知識的制限 |
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例えば、勉強会に参加する事で『知識的な制限』を減らすことができますが、それが直接技術に置き換わるとは限りません。
そこで、多角的にこれらの制限を取り払っていく事で診療のスキルアップを図ることが出来ます。
多角的に制限を取り去ることで、診療をもっと楽に
若い歯科医師の方であれば「時間的制限」と「知識的制限」を取り除くのが効果的です。
「時間的制限」を克服することで1日に診る事ができる患者数が増え、診療経験数を積むことができます。
効率の良い診療は新たに経験をするチャンスを生み、失敗してもフォローしてもらえるため、失敗を繰り返すことで大きな学びに繋がります。
「Quintessence」や「日本歯科評論」や「歯界展望」などが有名な商業誌を読むのも何を学べば良いかのヒントが得られるので効果的です。
私の経験では、Quintessenceがおすすめで、専門的なトピックをまとめたものもあるので、自分に必要なものを選んで購入すると良いでしょう。
しかし、こう言った雑誌はトレンドをつかむ事はできますが、得た情報を診療にコネクトさせるには特別なトレーニングが必要です。
例えばある雑誌に症例報告が載っていたとします。
症例の解説を読んだあなたは、『あぁ、そういうケースもあるんだな。』と考えるでしょう。
しかし、あくまで他人の症例なので当事者意識が働かないため、自分だったらどう治療しようと考えることはありません。
また、考えるにも限られた雑誌のスペースに載せられた情報には限りがありますから、十分な吟味を行う事が出来ないのです。
そこで、1つの症例を初診から治療終了までとことん突き詰めていく方法をお薦めします。
診療技術をアップさせるには『治療計画』の訓練が効果的
商業雑誌の症例や自分が見ている患者さんのデータを使って、治療計画を練る訓練をしてみて下さい。
治療計画を練る事は、海外旅行に行く事に非常に似ています。
はとバスで観光名所だけ巡る旅行なら別ですが、そうでなければ地図を片手に旅行するのが普通です。
海外であればなおさら地図やポイントとなる地点を明確にする必要があります。
治療計画とは冒険をするのに必要な地図の役割をしてくれます。
また、後日あなたがどんな経路をたどったのかを反省するログの役割も果たします。
実際に私が使っている治療計画表を無料でご提供しますので、日々の診療に役立てて下さい。
この歯周治療計画表を使うときはコツがあって、必ず4色以上のボールペンを使って記入して下さい。細かい話ですが、ジェットストリームがおすすめです。
使い方は下の図を参考にして下さい。
歯周病治療には治療計画が必須
私は日々の臨床の中で、初診でいらした患者様に対して、その日のうちに詳しい治療計画を立ててしまいます。
計画書の作成には5分ほどかかりますが、きちんと作成しておく事で地図の役割を果たし、後の診療が非常に楽になります。
例えば、患者様から今後の治療について聞かれても計画書を見せながら説明できますし、1つの症例をきちんと見つめるという事は、治療技術の向上に直接影響します。
なぜなら、治療計画を立てるために問題点を把握できる様になったという事は、広い視点から問題解決を図れる様になっているからです。
ある程度経験を積んだら技術的な制限を解いていく
ある程度経験を積み、効率的な診療が行える様になると、自分が提供出来る技術に物足りなさを感じ始めるでしょう。
例えば、『根管治療をもっと確実に行える様になりたい』『歯周病治療をしっかり行いたい』といった風にです。
これまでは、滞りなく行う事が目標だったのが、より良い治療を提供したいと1つ上の段階から考える様になるのです。
これを解決するためにはどうするのが効果的でしょうか?これもやはりトレーニングです。
学会のハンズオンセミナーに参加したり、2日間の実習コースに参加するのも非常に良い対策と言えます。
実習コースの良い点は、実習前に前段階の講義を聞く事が出来たり、直接講師に質問が出来たりする点です。
一方、実習コースの悪い点は実習のために丸1日時間を作らなかったり、消化不良で終わりがち、あるいはできた気になって終わってしまうなどが挙げられます。こういうパターンに陥ったひとを俗に「セミナー難民」と私は呼んでいます。
セミナー難民は沢山の勉強会でたくさんの考え方を聞いた結果、混乱して自分の中で軸となる考えが持てない結果、診療に直結させることが出来ず、セミナーを彷徨い歩く人たちです。
歯周外科セミナー実習コース | |
良い点 |
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悪い点 |
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セミナー難民が発生する理由は明らかで、セミナーの内容が自分の診療に直結すると感じれなかったり、日々の診療に取り入れる敷居が高かったり、自分の能力以上の内容だったりするからで、これを解決するには自分のペースでじっくり学ぶことが必要です。
そこで、TAROPEでは、診療時間や余った時間を利用して自分でハンズオン実習が行える教材を制作しました。
もちろん、私は歯周病専門医ですので、歯周外科に関する教材です。
歯周外科ができる事でもたらされるメリット
ひとことに「歯周外科」といっても、術式は多岐にわたりそれぞれ目的も違います。
私も今でこそ歯周外科を楽しみながら行っていますが、最初のうちはとても不安を覚えました。
しかし、歯周外科はポイントを抑える事によって、より身近で実践的な武器として役に立つ事は間違いありません。
例えば、「歯肉弁根尖側移動術」を行えれば、歯肉縁下のカリエスの治療もより確実に行う事が出来ます。
また補綴治療とは違い金属材料や技工料が発生しない分『固定費』や『変動費』等の費用も
抑える事ができますので、医院の経営を圧迫する事はありません。
これは、冒頭に述べた『経営的制限』の解消にも繋がります。
https://youtu.be/eTm7Qhgzz34
また高価な器具が良い器具というわけではなく、安価な器具でも加工を行う事で良質な器具に改造する事ができます。
動画の内容は一般的な歯周外科セミナーや勉強会では聞く事ができないような内容を盛り込むようにしてあります。
TAROPE 歯周外科マニュアルを実際に購入された方の声
- 大変勉強になりました。
- 外科器具の使い方は参考になりました。
- 今後もこういった動画が出るのが楽しみです。
- 動画教材は少ないので参考になりました!
- これ本当にすごいよ!バージョンアップしたらまた教えて下さい!
TAROPEで学ぶ事が出来る歯周外科術式
歯周外科手術はたくさんの種類が存在します。
- アクセスフラップ
- 切除療法
- 自家骨移植術
- 再生療法
- 歯肉弁根尖側移動術
- 遊離歯肉移植術
- 上皮化結合組織移植術
- 歯冠長延長術
- 歯肉弁側方移動術
- 口腔前庭拡張術
- 歯槽骨整形術
ざっとご紹介するだけでこれだけの数があり、その他にも名前が付いてない多くの術式が存在します。また術後の『縫合』にも本が1冊できてしまうくらいの知識と技術が詰め込まれています。
そこで『TAROPE 歯周外科マニュアル』では7つの術式に絞って解説を行っています。
また歯周外科を始めるには、必ず前準備として器具が必要ですので、『TAROPE 歯周外科マニュアル』では、少しでも歯周外科を始めるハードルを低くできるように、低コストで購入できてしかも性能も良い器具をご紹介しています。
歯周外科器具を揃える費用の目安としては、『歯周外科を3〜4回行えば取り返せる金額』と考えて頂ければ良いです。
歯周外科処置の種類と保険点数
保険適応の歯周外科処置の種類は以下の通りです。
- フラップ手術(1歯 約600点)
- 口腔前庭拡張術(1手術 約2300点)
- 歯肉弁根尖側移動術(1歯 約600点)
- 歯肉弁歯冠側移動術(1歯 約600点)
- 自家骨移植術(1手術 約1800点)
例えばよくある「右上の4・5・6』の自家骨移植術を含むフラップ手術をした場合は次の点数が算定できます。
【(1歯 600点)×3歯分 】+【 自家骨移植 1800点 】= 3600点
3歯程度なら90分もあればオペはできますから、1時間当たりに換算すると『2400点/時』算定出来る計算となります。仮に3時間かけたとしても、『1200点/時』ですので、悪くはありません。
ちなみに私は肉芽の量にもよりますが60分程で完了できますので、『3600点/時』という計算になります。
歯周外科手術にかかる3つのコスト
一般的な歯周外科手術は補綴治療と違い、高価な貴金属を使用しない分コストを低く抑える事が出来ます。
歯周外科は次の3つがコストとして発生します。
- 器具の滅菌代
- アシスタントの人件費
- メス刃、縫合糸、オペ用ガウン
コストのうち一番高いのが人件費です。人件費はオペ中だけでなく、オペの間とオペ後の器具の上げ下げの時間もかかるので注意が必要です。
では、それぞれの項目について解説していきましょう。
器具の滅菌代
器具の滅菌代は具体的な額はわかりませんが、
数円程度と考えて良いです。
アシスタント人件費
計算をしやすくするためにアシスタントの日給を『1万円』と仮定して計算してみましょう。
1日『8時間』診療している場合、アシスタントの1時間当たりの賃金は1250円です。
【(オペ 90分)+(準備時間 30分)】×(1250円/時)=2500円
この金額はもちろん、術者が上手ければうまいほど短縮できます。
メス刃、縫合糸
一般的な15c、12dといったメス刃は1枚およそ『100円』です。また縫合糸も一般的なもので大体『150円』ほどで購入できます。
歯周外科をするためにかかる3つのコストは以下の通りです。
- 器具滅菌代:10円
- 人件費:2500円
- メス刃・縫合糸:300円
「自家骨移植術を併用したフラップ手術」の場合、3600点の収入を得るためにおよそ『3000円』のコストがかかる計算です。
つまり歯周外科治療は一般的な歯科治療のコストと比べるとかなり利益率が高い方法といえます。
歯周外科を学ぶ上で参考になるおすすめ書籍
歯周外科を実践してから、エビデンスを積んでも遅くはありません。
歯周外科がある程度できる様になり、治療の幅が広がってきたら次はより治療の成功率を高めたいと考える様になるはずです。
そこで論文を紐解く様になると思いますが、論文にも効率的な読み方があります。
これもトレーニングを繰り返さなければなりませんが、学びなおしEBMという参考書がとても役に立ちます。
この本の良い点は論文の読み方だけでなく、質の高い論文の読み方から効率的な読み方まで具体的な例を交えて解説している点です。
この本を読む事で、知識だけで終わらない実践に役立つ論文の読み方をできる様になります。
その他の私の歯周外科を学ぶ上でのおすすめ書籍や本に関してはこちらを参考にしてください。
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このページでは歯科医師になった後、歯周病を学んでいく上でとても役立ちしかも長い間使える教科書や参考書をまとめてあります。 本は初期投資がかかりますが、以後無料で使える情報源となるだけでなく、他人と知識 ...
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歯周外科手術はとにかく始めることが大切!
いくら勉強をしても自転車を乗りこなせないように、『歯周外科手術』は経験を積めば積むほど劇的に上手くなります。「トライ&エラー」を繰り返すことで、術式を覚えるだけでなく漠然とした不安感も取り除くことができるからです。
私がこれまで見てきたどのドクターも歯周外科をはじめてある時点から急激にスキルがシグモイド曲線を描くようにアップしています。
歯周外科がうまくなることで患者様から頂く診療費が上がり、そのお金を使ってさらに良い器具や良いセミナーに参加し、自分のスキルに磨きをかけていくことで良い循環が生まれます。
まずは歯周外科の書籍や本、講習会ばかりに参加せず、どんな形でも良いので歯周外科治療を始めてみましょう!
TAROPE 歯周外科マニュアルの商品内容
『TAROPE 歯周外科マニュアル』には以下の内容が含まれています。
- 歯周外科に必要な器具の揃え方
- 縫合の基本(単純縫合、水平マットレス、垂直マットレス etc.)
- 押さえておくべき基本的な歯周外科術式『7つ』
- 実際に治療を行った症例をその解説
- セルフハンズオンに必要な器具の揃え方
全部で『110ページ以上』のボリュームがあり、しかもオールカラーの写真と丁寧な動画解説が加えてあります。動画は『総時間5時間以上』あり、かなり見応えがある内容に仕上がっています。
価格は税込で$440です。
ドルでの決済になっている理由は私の生活の拠点が日本からアメリカに移ったことによるもので、怪しいサイトを介しているわけではありません。
TAROPE 歯周外科マニュアル作成者からのご挨拶
歯周外科治療はいまや必須の歯科治療です。
先生方の中には歯周外科の必要性を感じながらも、どこから手をつけたら良いのかわからずにいる方も多いのではないでしょうか?
私が過去にお会いした先生方の中には、ご自分が歯周外科をなさらない理由を「患者様が希望していないから!」とおっしゃる方もいらっしゃいました。
治療をしたくないのは患者さんからすれば「カリエス」も「抜歯」も「歯周病」も同じです。
歯周外科を始めない理由はいくらでもありますが、美しく出来た時の『達成感』と歯を保存できた時の患者様の『感動』はこの上ない喜びとなる事でしょう。
私が執筆させて頂いた『歯周外科マニュアル』はまだ歯周外科を経験した事が無い先生だけでなく、歯周外科を始めたばかりの先生にも分かりやすく、かつ新たな発見があるように作成してあります。
また歯周外科を行う事が医院経営の圧迫とならないようにコストパフォーマンスの面でも動画で解説を加えてあります。
さらに私が実際に治療した患者様の症例も掲載してありますので、ご自分の悩まれている症例を照らし合わせてみて『歯周外科を行う価値はあるか』『保存できる歯かどうか』の基準にして頂ければ幸いです。
歯周外科はスポーツと同じく、練習量がものをいいますから良質の練習方法を繰り返し行うことで『実践に強いスキル』を身につけることができます!
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【歯周外科マニュアル 作成者 概略】
- 日本歯周病学会 専門医
- アメリカ歯周病学会会員
- 医療法人 Fortune Arch 代表理事
- 現在、アメリカフロリダ州にてインプラント周囲炎の研究中。