歯周病予防におすすめの歯ブラシが知りたい方へ。
この記事では歯周病の予防や歯周病治療後の再発防止に効果的な歯ブラシを紹介しています。
この記事は日本歯周病学会認定の歯周病専門医が執筆しています。
歯ブラシを選ぶ時のポイント
歯ブラシ選びの基本は『どこのメーカーの良いか』ではなく、『どんな形をしているか』です。歯ブラシの理想的な形は、
毛の『材質』、『硬さ』、『長さ』、『カットの仕方』で決まります。
この4つのポイントの選び方で『歯周病(歯槽膿漏)』や『虫歯予防』への効果が格段に変わってきます。
良い歯ブラシの4つの条件
①毛の材質
現在流通している歯ブラシの多くはナイロンでできています。
中には馬の毛や豚の毛を使った高級な歯ブラシもありますが、高価な歯ブラシが効果の高い歯ブラシというわけではありません。
むしろ動物の毛を使った歯ブラシは目に見えない穴が空いていて、そこにバクテリアが住み着きやすく、不潔になりやすいのでオススメしません。
ナイロンはというとモノフィラメントと呼ばれる単一繊維でできているので、細菌が入り込む隙がなく、清潔に保つことができます。
しかも比較的短時間で乾燥させることができます。
最近はポチブチレンなどを使用した歯ブラシも出てきていますが汚れがつきにくく、乾燥させやすい材質であればなんでも結構です。
②毛の硬さ
せっかちな性格の人ほど毛の硬い歯ブラシを好んで使いますが、歯ブラシの毛は『ふつう』のものがベストです。柔らかいものはコシがなくてきちんと磨けませんし、硬いものは狭いところへ入って行かないのでおすすめしません。
それでも好みの硬さがあるのであれば、次の『毛の長さ』を考慮に入れてください。
③毛の長さ
実はこの毛の長さが使い易い歯ブラシとそうでない歯ブラシを分けています。
同じ硬さの毛であっても長い毛先のものと短く刈り込んだ毛先のものとでは『しなやかさ』が違います。
正解を言うと毛は『長い』方が使いやすいです。
よく売られている子供用の歯ブラシは子供の小さい口の中に入るように毛が短く刈り込まれています。しかしその結果として細かい本当に磨きたいところが磨けない歯ブラシになっています。
ですから、わたしは子供でも大人用に歯ブラシを使うことをお勧めします。
④カットの仕方
毛のカットの仕方も歯ブラシで細かい部分を磨くのに大事な要素です。
まっすぐ『一直線』にカットされたものと『ギザギザ』した形になるようにカットされたものとでは、歯と歯の間への入りやすさが全く違います。ギザギザしている方がおすすめです。
歯周病も虫歯も歯と歯の間から発生しますから、この部位を磨くことが非常に大事です。
以上のことをまとめると
⒈ ナイロンでできた
⒉ 『ふつう』の硬さで
⒊ 毛の長さは長めで
⒋ ギザギザした形の歯ブラシがベストです。
そこでこれを元に選んだ歯ブラシを、私の『好み』をあじえてご紹介します。
歯周病専門医が選ぶおすすめ歯ブラシ
第1位 ソニッケアー フレックスケアープラチナ
ソニッケアーの中でも上位の機種だけあって、プラーク除去効率、使いやすさ、清潔さどこをみても申し分ない!
替えブラシが簡単に交換できるので、一台あれば家族全員で共有できるのもおすすめポイント!
価格以上の価値を提供してくれる一品です!
第2位 ソニッケアー ダイヤモンドクリーン
再び再登場のソニッケアーシリーズ。その中でもダイヤモンドクリーンは最上位機種にあたる。価格は高いが、替えブラシのミニサイズが最初から付属していたり、持ち運びできるケースが付いていたり、磨く以外にホワイトニングモードや歯ぐきをマッサージするモードもついているのもおすすめポイントだ!
第3位 ルシェロ グラッポ
筆者は電動歯ブラシを使わないときはいつも、このルシェロ グラッポを使っている。日本製だが日本では考えられないくらいヘッドがでかい!!そのデカさがたまらない!専門的にはヘッドが大きいが毛先が長くしなやかなため、効率良く歯の掃除ができるのだ。横着な人向け?
第4位 LION DENT.EX systema GENKI
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グラッポと同じくヘッドが大きいシリーズ。ヘッドの大きさはほぼグラッポと同じだが、実はこちらの方が先に発売しているので歴史は古い。
これを使えば、歯ブラシの時間を短縮できる。
第5位 DENT.EX システマ 44M
スタンダードな歯ブラシだが、毛のカットの仕方が理想的。上述のグラッポやゲンキを使っていると小さく感じる。歯と歯の間の狭いエリアにもしっかり届いてくれるスグレモノ!
第6位 ソニッケアー イージークリーン
ソニッケアーシリーズの売りであるソニックテクノロジーが使われている機種のうち、最も価格が安いシリーズ。低価格ながらしっかりと音波水流を作り出してくれるので機能面は問題ないが、最初から付いてくる替えブラシがデカイので一緒に交換する必要がある。ソニッケアーシリーズの詳しい解説はこちらへ
第7位 シケン ソラデー3
これはちょっと毛色の変わった歯ブラシ。
歯周病学会で企業展示に行ったときに出会ったのだがブラシの柄に電極とソーラーパネルがついていて、イオンを発生するようになっている。このイオンがプラークに作用して剥がれ落ちやすくしてくれる。
確かに歯がツルツルになるのでイオンは出てるみたいです。個人的にはグラッポくらいでかいといいかな。
第8位 ルシェロ P-10
ルシェロシリーズの中でも歯周病の人のために作られた歯ブラシ。歯周病を英語でperioと呼んだりしますが、P-10のPはペリオのP。
システマ44Mと同様毛のカットの仕方が理想的な一品。
第9位 KISS YOU 極細コンパクト
こちらもイオン歯ブラシ。ソラデーと比べると電池の格納庫分少し大きいさいずになっている。イオン自体はしっかりしているので効果はきちんとあります。
第10位 ルシェロ op-10
これはちょっと特殊で歯周病の手術をした後に使うために開発された歯ブラシ。opはオペレーション(手術)の略です。
ただ筆者は日々の臨床の中でオペ後の患者さん以外にも歯肉が腫れて痛かったり、炎症で磨きにくいと言う人にこの歯ブラシを処方しています。
まとめ
とまぁ、私の好みもだいぶ入っていますが、どれも全部私が試してきた中で『これは!』と感じたものを載せています。
これらの歯ブラシは当然、虫歯予防にも有効です。あとはこれに良い『歯みがき粉』を組み合わせることで予防歯科が出来ますね!
以上、歯周病専門医がすすめる歯ブラシ10選でした!