自宅で歯石が除去できたらいいなと思っている方へ。
もしも自宅で歯石を取るとしたら「どんな道具」を使えば良いのかや「どんな方法で歯石を除去すれば良いのか」など知りたいけど、なかなか歯医者では聞くことが出来ずにいたりしませんか?
この記事では以下の内容を解説しています。
- 自宅で簡単にできる歯石の取り方
- 歯石の除去に必要な道具
- スケーラーの使い方
僕自身、歯科医師として10年以上多くの患者さんの歯石除去治療をしてきました。また現在はアメリカの歯科医師免許を取得するために留学中でなかなか歯科医院に通う時間が取れないので自分で歯石の除去などセルフケアをするようにしています。
そんな自分の経験から、歯石の除去を自宅でしてみたい方の疑問に答える内容となっています。
自分で出来る歯石の取り方
歯石とは台所の ”ぬめり” にあたる『プラーク』に唾液中の ”カルシウム分” が沈着してできた塊で歯周病の原因です。
歯石の構造は軽石のように空気がたくさん含まれたようになっていて、その中に細菌がたくさん生息しています。
これを放置することによって、健康な歯ぐき → 歯肉炎 → 歯周炎という風に病気が発展していき、最終的に歯が抜けます。
ですから、まずは歯石が沈着しないようなブラッシング方法をしっかりと確立し、もしも歯石が付いてしまったなら、それをこまめに除去しいていかなければなりません。
自宅で歯石を除去するのに必要な器具は?
一度歯石になってしまうと、歯ブラシでは除去することは出来ません。
唯一、ソニッケアーのような「音波歯ブラシ」であれば、”なりかけ” の段階であれば粉砕することができます。
これまでは歯科医院で除去することが一般的でしたが、最近はロフトやドラッグストアーのオーラルケアコーナーで『スケーラー』と呼ばれる歯石を取り除く器具が販売される機会が多くなっています。
実際には『3ヶ月〜半年』おきに歯科医院でプロによる超音波を使ったクリーニングを受ける事が望ましいです。
こちらのyoutube動画は実際に歯医者さんで麻酔をした後に歯石除去をしているところです。歯茎が腫れて出血していますが、歯石が取れた後は自然に治ります。
しかし、現代社会では様々な事情があるかと思いますので、せめて自分で除去できる正しい道具の使い方だけでもマスターしていただければ幸いです。
ちなみに健康保険の範囲内で歯石除去をすると初診料、検査代など諸経費を含めて3000円くらいが相場です。この料金は大阪でやっても福岡でやっても東京でやっても変わりません。
鎌形スケーラー
歯石を自分で除去する器具で有名なのが、『鎌型スケーラー』です。
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「鎌形スケーラー」は先端の形状が平たい形をしているので歯の ”付け根” 部分の歯石除去に適しています。
しかし、実は歯科医院で使っているところはほとんどありません。
何故なら、歯と歯の間の様な狭いところの歯石が取れないからです。
そこで、こういった狭いエリアにアプローチできるのは鎌のような形をした「両頭スケーラー」がオススメです。
両頭スケーラー
両頭スケーラーとは両端にスケーラー(歯石をとる道具)がついた器具のことです。
鎌のような形をしていて、歯の表面についた歯石を取り除くことができます。
ただし、刃物なので取り扱いは十分注意して下さい。
上の商品は歯科医院でも愛用されている通販メーカーが出している商品です。
汚れを染め出す ”染め出し液” に ”ミラー” 、 ”両頭スケーラー” が3点がセットになっています。
このメーカーは今や歯科医院の取引先としては必須のコスパの良い医療器具や雑貨を提供してくれるメーカーです。
たまに作りが大雑把なものもありますが、一般の方が使うには十分すぎる品質と値段の低さが魅力的です。
ちなみに上の3点セットは ”送料無料” で1280円ですが、もしもCi以外のメーカーでプロ仕様の器具を買うとなると「両頭スケーラー」だけで1万円くらいします。
そしてこの「染め出し液」は歯石の除去のときに赤く染め出して、歯石と歯を区別しやすくするだけでなく、磨き残しの部分も染め出してくれるので、普段の歯磨きチェックにも使えます。
つまり、”かなりお得な商品” です。
両頭スケーラーの使い方
この両頭スケーラーは本来、歯科医師あるいは歯科衛生士が訓練して扱う道具ですので少しコツが必要です。これから説明する方法は自分で使うというよりは誰かにやってもらうことを前提に説明していきます。
① 両刀スケーラを正しく持つ!
ますは鉛筆を持つように持ちます。
そして、中指だけを少し伸ばして刃の近く1センチくらいのところを支えます。
② スケーラーは必ず引いて使う!
スケーラーは必ず『引く』動作で使います。
スケーラーを引いて使うと、効果的に歯石を取れます。
③ 『レスト』を置く!
”レスト” とは器具が不意に動くことを防ぐ ”固定” のことを言います。
口の中は濡れていて滑るので思いもよらない部分を傷つけてしまうかもしれません。
ですので、必ず中指や薬指を歯において固定するようにして下さい。
上の写真は下の前歯をスケーリング(掃除)しているところです。
掃除した歯の2本隣くらいの歯を支えにして(レストにして)掃除します。
④ 根元から歯石をこそぎ取るつもりで!
歯石は必ず根元の方から根こそぎ取るようにします。
このとき歯茎の近くを触るので傷つけ無いように気をつけましょう。
スケーラーは刃物ですので、不意に歯茎を切ってしまう可能性が十分にあります。
ちなみに ”歯肉炎” になっていると歯石を取っただけで滲むように血が出ます。
これは歯茎が一時的に弱っているだけなので、心配しなくて大丈夫です。
傷が付いているわけではありません。
⑤最後にうがいをしましょう
歯石を取ったあとは消毒も兼ねて市販のうがい薬でうがいをしましょう。
またこの時、リステリンような歯石を融解してくれるような洗口剤を併用するとより効果が増します。
リステリンに関する詳しい情報はこちらをご参考にして下さい。
自宅で歯石を除去する方法 まとめ
いかがでしたか?
正しくスケーラーを使えれば、家でも歯石を除去する事が出来ます。
しかし、自分で鏡を使ってやるのは、かなり至難の技なので誰かにやってもらうのが確実です。
もしも、歯石がついた状態を長期間放置してしまうと歯周病になり、下の写真のような ”真っ黒な歯石” が付く状態になってしまいます。
これは、歯周病菌が作り出す歯石で、「下水」のような匂いがします。
ここまで発展してから、治療を開始すると年単位で治療期間が必要になります。
また両頭スケーラーに限らず、”刃物” は使うたびに鈍っていきます。
通常は研いで再び使用するのですが、研ぐにはそれなりの道具と技術が必要です。
ですので、一般の方は ”研ぐ” という概念は持たずに鈍ったら捨てるという感覚で安くて、ある程度品質の良いものを選ぶと良いと思います。
また初期の歯石であれば、電動歯ブラシのソニッケアーで除去できます。
「ソニッケアー」は電動歯ブラシの中でも特殊な歯ブラシで、他の電動歯ブラシは ”歯石除去効果” を期待できませんが、ソニケアだけは特許技術がありこれが自動で歯石取りをしてくれます。
ソニッケアーに関してはこちらの記事をご参考にしてください。
参考リンク:スケーラーの使い方